休日の過ごし方として、一人で漫画を読むなら「バガボンド」をおすすめします。
主人公、武蔵が自分の剣の道を極め、どう生きていくかを見つめ続けるストーリーから、
自分の生きていくうえでの大切なもの、誇りある生き方などを考えさせられる作品です。
暇な休日の時間がたっぷりある時に、一人でじっくり自分と向き合ってみてはいかがでしょうか。
ただの戦闘マンガではない、人生について深く考えさせられる漫画
青春バスケットボール漫画「スラムダンク」で有名な井上雄彦原作のこちら。
宮本武蔵の物語を、武蔵の心情の移り変わりをとても繊細に表現した名作です。
始めの方は、武蔵の歩んできた道、戦った相手、取り巻く人々など、
今の武蔵を作り上げてきた環境設定が主ですが、
物語中盤が実に面白い。
武蔵が、人を切り、殺すことに対して、自問自答し続け、答えを探していきます。
戦闘物の漫画から、哲学書かと思わせるようなセリフがたくさん出てくる漫画に変化していきます。
そして、ついに剣を捨て、農業を始めるのです。
思わぬ展開に驚きましたが、武蔵が農業から得ることもまた多く、
読みながらこのままのんびり過ごしていけたらいいのに・・・とさえ思ってしまいます。
強敵との斬り合いの場面も確かに迫力のある魅力的なシーンでしたが、
ただ、目の前に現れた敵を倒して終わり、ではないところが、他と違う輝きを放っている作品だと思います。
戦うことに重きを置いているのではなく、宮本武蔵という一人の人間の人生を描いた歴史ものプラス哲学書に近い漫画なのです。
あちこちに隠されている名言!
登場人物の中で私が好きなのは、武蔵を匿ってくれていた沢庵です。
彼は僧侶ということもあり、とても素敵な言葉をたくさん与えてくれます。
中でも好きなのは、「強いものはみんな優しい」という言葉。
強くなるためには優しくなることが必要なのです。とても深いですよね。
つい、イライラしてしまいそうなとき、文句が口から出そうになったとき、この言葉を思い出して、優しい心でいられるように気を付けています。
沢庵だけでなく、「バガボンド」の中には、自分が生きていくための力になってくれるような名言が数多く登場します。
名言集が作れそうなくらいです。
それらひとつひとつを噛み砕いて自分のものにしていくだけでも、自分の財産になりますよね。
バガボンドのもう一つの魅力
そして「バガボンド」のもう一つの大きな魅力として、絵の素晴らしさがあります。
作者のこだわりで、すべての絵が筆で描かれているのです。
水墨画と漫画の融合を楽しむだけでも、この作品を見る価値がありますよ。
一人きりで、「バガボンド」のほかの漫画では感じられない独自の世界を堪能してみては?
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