タイトルのflatの意味が最初は分かりませんでした。
まあいい、とりあえず読んでみるか。ということから始まった私のflatライフ。
表紙が白いなぁという印象しか残さず、本編を見てみたら、背景がしっかり書かれているので、
ちょっとイメージ違うなと、いろいろな思考が読む前からぐるぐる頭の中を駆け巡ったり。
表紙の白い作家さんて、たいてい背景を書かなかったり、描いても線がふにゃふにゃしていたりするので、ちょっと安心しました。
ある日平介が家に帰るといとこの秋を預かるという話を聞く。
あまりにもおとなしく、しっかりした小学校入学前の保育園児秋に、平介は少しくらいなら大丈夫だろうと色鉛筆を預けて本屋に買い物に行きます。
帰るとどこにも秋がおらず、探すと風呂掃除をしているところを発見。
ちょっと反省した後に、お菓子作りの本を興味津々に見てくる秋を見て、調理実習で作ったカップケーキを渡すとうれしそうな顔を浮かべるのです。
この後お菓子作りの約束をしたところでまた一波乱起きそうになるんですが、この最初の部分だけ読んでも、子どもをもつ身として考えさせられることが多いです。
うちにも小学校入学前の子がいますが、秋くんを見ていると、親からすれば手のかからないいい子、我慢強い子。
でも他人の目から見れば、もう少し親に甘えればいいのに、親ももう少し見てあげればいいのに。
秋くんの親も働いているからいろいろ難しいところもあるんだろうなと思うけれど、
ここまで無口で、言いたいことをぐっとこらえていると、サイレントベビーのことを思い出してしまいます。
けっこう平介や秋の性格同様に淡々と進んでいくので、読んでいても時間の流れが淡々としているんですが、
ちょっとずつ変わっていく平介や秋の様子も分かったりするので、つまらないということはないと思います。
・・・私は山がないのでつまらない派ですけどね。
2010年に全国書店員が選んだおすすめコミック1位を獲得しているほどの作品なので、読み進めていけば、また印象や感想も変わるのかなと思います。
平介のいいところは友達に恵まれていることかなと思います。
中でも口が悪い鈴木くんは平介に対してきついことも言うんですけど、なんだかんだ理解している感じが出ているし、お気に入りです。
物語の世界が学校と家の2つしかない感じもあるので、もう少し広がっていけばいいなと、今後に期待したい作品です。
かわいい男の子とほんわかした話が好きな方にお勧めです。
コメント