映画から入っていった私ですが、漫画も素直に読むことができました。
ただ、1話目を初めて読んだときに一見よくある少女マンガの恋愛物なのかなと思ってしまいました。
というのも、つばきは地味で自分に自信が持てないタイプですし、京汰はオレ様系に見えてしまったからです。
今日、恋をはじめます漫画版試し読み
さすがに読んでいて、京汰のあのロン毛はないなと、私も思っていたので、つばきが切ってくれたときにはスカッとしたというのが本音です。ただ、こうした高校デビューから始まる漫画を読んでいると、今の高校生ってみんなこうなのかなと、誤解してしまう部分があります。中には校則を守るようなつばきタイプの子も何人かいるのではと考えてしまいます。
主人公がキレイに変身していく漫画はけっこうありますが、その一つではないかと思っています。主人公が変わる、そのきっかけを与えた男の子と恋に落ちる、というのもよくある話だったので、1話目を読み終えた時点で、読み続けるかどうか正直迷いました。
一巻以降も読んでいくと・・・
しかし、15巻まで読み通してみると、1巻の最初に出てきた母親の「すべり止めでも代表になれないなんて」という言葉から、つばきが親からのプレッシャーと戦い続けているという胸キュンもできました。
自分は似合わないという思い込みから中々変われない自分への葛藤があるということも伝わってきました。変わることは文字通り大変ですし、その一歩を踏み出すための勇気も必要です。そのきっかけを作ったのが、実は京汰だったのではないかと思うと、よくあるストーリーながらも胸の高鳴りが感じられました。
誤解のポイントがまだあって、京汰は京汰で、地味な女の子を弄ぶのが好きということですから、性格悪いなという印象を受けてしまいましたし、前述の初登場のロン毛があったので、どうかなと思っていましたが、宇宙への興味を語るシーンなどは見ていて気持ちのいいところがあります。
私の好きな場面
特に印象的だったのは11巻で、京汰がつばきの手助けによってお母さんと再会するシーンです。それまできっと京汰は母親の存在を否定することしかできなかったのだろうと思います。でも、母親の幸せを祈ることで、母親を母さんと呼ぶことで、また京汰にも新たなスタートが切れたのかなと思います。
15巻まで読み進めていくうちに、飽きてくる部分も人によってあるのだと思いますが、そこを読み飛ばしてしまうと、15巻で母親に将来の夢のことを許してもらえたつばきのことなど、登場人物の気持ちを理解していく上で難しくなってしまうかなと思います。
あらすじに関しては「よくある話」といってしまえばそれまでですが、キャラクターがそれぞれ個性をしっかり確立しているからこそ、大枠にとらわれず感情移入できる作品です。
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