今や、生活の必需品となったスマホ。電子書籍としても十分に使えます。
ちょっとした暇つぶしに、スマホで漫画を読んでみませんか?
今回、私が読んで良かった作品が、現代社会にいじめの悲惨さを痛烈に語りかけているすえのぶけいこ原作の「ライフ」です。
この作品は、主人公歩が、クラスメートからいじめを受ける様子、
傷つきながら、絶望を感じながら、それでも前へ進んでいく様子が
あまりにリアルに描かれていることから、
発売当初からすぐに話題になり、2006年講談社漫画賞少女漫画部門を受賞したり、実写ドラマ化したりしています。
今もなくならない、いじめ。
いじめとはどれほどまでに人を傷つけるものなのかを漫画を通して考えてみました。
誰にでも起こりうるいじめの恐ろしさ
歩は高校に入ってできた友達愛美に、誤解を受け、いじめのターゲットにされてしまいます。
グループ全員からのひどいいじめにあう歩の姿は、読み進めるのがつらくなるほどです。
いじめの直接的なシーンの恐ろしさ、残酷さはもちろん、
歩が特別何か悪いことをしたわけじゃない。
いじめをうけるのは歩じゃなかったかもしれない。
グループの中の他の子だったかもしれない。
そんなことを感じながらいじめの脅威にさらに恐ろしくなってしまいます。
本当の友情とは何か?
未来との出会い
ひどいいじめにあって、絶望の淵に立たされていた歩ですが、未来と出会い、人の目を気にしない姿に憧れ、自分のことをちゃんとわかって、心配してくれる優しさに触れ、真の友達を手に入れることができました。
そしてものすごく強くなります。
いじめに立ち向かっていく歩の勇姿には鳥肌が立ちました。
そして、未来のキャラクターもまた素晴らしく、未来が登場するだけで場面がぱっと希望に満ちるんです。
名前の通り、明るい未来が見える感じ。
この作品が伝えたいこと
歩は、いじめられていたけれど未来に出会えたから幸せだ、現実にはそうはいかない、そう思う人もいるかもしれませんが、この作品が伝えたいことは、そうではないのだと思います。
機嫌を損ねないように顔色をうかがって付き合う友達は本当の友達ではありません。
歩と未来のようにお互いを思いあい、ピンチの時には一緒に戦うことのできる友達を見つけてほしい、私は、そういうメッセージを受け取りました。
それは、いじめられている人はもちろん、いじめに加担している人にもいえるのではないでしょうか。
みんなが本当の友情とは何か気付き、それを得ることができれば、世の中からいじめはきっとなくなるでしょう。
希望の残るラストにも注目
みんながハッピーエンドでめでたしめでたしのストーリーではなく、
いじめの主犯格である愛美は、事件を起こし少年院に入ります。
最初からものすごく嫌な悪役として描かれてきた愛美が、今までの過ちに気付き、更生しようとする姿に、愛美もまた人間であることに気付かされ、今後の愛美についても希望が残されている、これまた考えさせられるラストでした。
暇な時間に漫画「ライフ」を読んで、社会問題について考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。少しでも多くの人がいじめについて考え、世の中がいじめ根絶に近づいてくれるように祈っています。
コメント