子どもの休日の過ごし方として漫画を読むなら、
安西信行原作の「MIXIM☆11」です。
親としては何か得られるものがあるといいなと思いますよね。そこで、知識だけではなく、仲間の大切さだとか、諦めないことの素晴らしさだとか、そういった人生の役に立つような抽象的なものでもいいと思います。
ストーリー
安西信行原作の「MIXIM☆11」は、なんでもない日常の尊さや、身の回りのごく平凡な物への愛情なども感じることができる、子どもに読ませたい作品の一つです。
主人公壱松を含めた友人3人は、何をやってもモテないのですが、それは、地球ではなく別の星であるポラリスの王子候補である証拠で、あえて地球でモテないように魔法がかけられていました。そこへ、また別の星から王子候補の命を狙った刺客がやってきて、命を懸けた戦いになる・・・というストーリーです。
子どもたちの大好きな戦闘ものに加えて、宇宙規模の夢のあるストーリーは、大人が読んでいてもわくわくしてくるものがあります。
感想
友人たち3人の絆は言うまでもなく確かなもので、王子候補とか全く関係なく、お互いのことを分かりあって信じあっている様子には、こんな友達ができてほしいと親ならだれもが思うでしょう。全く性格の違う3人が出会い、かけがえのない存在になるなんて奇跡に近いですよね。
そんな奇跡をも起こせてしまうのが漫画の素敵なところだと私は思います。
主人公たちは、星の加護と呼ばれる力を、自分の一番大切なものに注ぎ込み戦闘の時に能力を使います。指人形だったり、ゲーム機だったり、口紅だったり・・・。自分の身の回りのものが、自分を理解してくれて、力となってくれるのなら、何を選びますか?
映画「トイストーリー」じゃないですが、物にも命があって、大切にしていればきっと自分を思ってくれる、というファンタジックな世界観は、ありふれた平凡なものを愛する気持ちを教えてくれます。
最後の戦いを前に、みんなに一日だけ地球で大切な人とすごすことが許された場面があるのですが、その場面がまたいいんです。それぞれが思いを寄せる女の子と過ごしますが、すごく平和な雰囲気で、これから命を懸けた戦いが待っているという重い感じは一切ありません。
命を落とすかもしれないのに、また戻ってくることを前提としている壱松の姿は元のモテない彼ではなく、ものすごくかっこよく見えました。強い心で困難に向かっていくと、奇跡が起こるということを感じるラストでした。子どもたちが、この漫画を通していろんなことを受け取れたらいいなと思います。
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