ヴァンパイア騎士の表紙を見たときに
「たぶん苦手なタイプの作家さんだ」と思ったのが第一印象。
感想と印象
でも読んでみたら「カラーとモノクロのギャップがある人」でした。というのも、私の中で髪の毛つんつんタイプの絵を描く作家さんて、ムダにきらきらした人が多いんですよね。なのでヴァンパイア騎士(ナイト)もその一つかと。
ところがどっこい、ムダにキラキラした部分はないし、話の構成もしっかりしているし、キャラが立っている。きらきらで「イケメン」をごまかしていないということですね。
時々あるんです。ムダにトーンを使ってホワイトを入れてキラキラさせて、バランスの悪い大きい目を書いて「イケメン」「かわいい」「美人」とする人。特に少女マンガ系。まあ、ヴァンパイア騎士も少女マンガなんですけどね。
無料ネタバレ
表紙を見たときに登場人物の目はでかいし、カラーの目はぼかしいれているし、同じ系統かと思ってしまったんですね。まあ、花とゆめという時点で構成とかはしっかりしているはずなんですけど。
この話は結構登場人物の関係性が複雑で、最初から読み通さないと分かりづらいところが多いです。単純にうわべだけの設定、たとえば優姫が風紀委員で夜間部のヴァンパイアたちを守る立場にあるとか、零は過去のこともあってヴァンパイアを憎んでいるとか、たったそれだけでは、はっきり言って途中で読み飽きてしまいます。
読み勧めていく上で難しい部分も出てきますし、セリフが多くて混乱するところもあるかもしれませんが、しっかり読み進めていけば、最終回も非常に面白く読めます。最後の最後まで、優姫、零、枢が絡み合ってくる、そして最後は本当にその選択が正しいのかどうかさえ分からないようなシーンが展開していきます。
それはおそらく人間とヴァンパイアという異種同士の交流だからこそ生まれる葛藤であり、普通に生活をしていたら分からないことなんですね。唯一ついえることは、人の優しさに触れて、本当の意味を知れば、人は今までよりもより強くなれるということなのではないかと思います。
守るものがあるというのは人を強くする。それはきっと世界中のいろんな人に当てはまることで、もちろん子どもを持つ私も例外ではありません。「僕は間違いを犯した。けれど止められなかった」本当に何が間違いで、何が正しいのか、これは人の感情だけで見れば、特に恋愛関係のことで見ていけば分からないものです。
よくこういうテーマを最後に持ってくるマンガを見ますが、ヴァンパイア騎士もしかり、きちんとテーマを持って臨んでいるので、見ていて最後まで気持ちが引き込まれていきました。どちらかというと、今進路でも何でもいいので、迷いのある人にお勧めしたいマンガです。
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